「誕生日の前祝いって、なんとなく縁起が悪いって聞いたことがあるような…?」
そう!実は日本には、「誕生日は実際の日付より前に祝わないほうがいい」という考え方が、昔から存在しています。
とくに大切な節目の年なんかは尚更。
「お祝いするなら当日か後日のほうが安心」と口にする方もいますよね。
けれど現代では、忙しいスケジュールの都合や友人とのタイミングもあって、「どうしても誕生日当日には集まれない…」というケースが増えました。
そんなとき、「前祝いは本当に避けたほうがいいのかな…?」とあなたは思うでしょう!
この記事では、その理由や根拠、また気にする方と上手につきあうためのコツなどを、中立的な視点で紹介していきます。
読み終わった頃には、「前祝い」にまつわる日本の文化や価値観がしっかり理解できるはずですよ。
ぜひ最後まで目を通してみてください!
目次
誕生日の前祝いは縁起悪いってホント?
なかなか忙しい毎日。
みんなが集まってお祝いできる日は誕生日の前の週末だけ。
けど、誕生日の前祝いは縁起が悪いって噂も聞いちゃって、「どうしよう…」と頭を抱えていませんか?
結論からいうと、前祝いをしたからといって何か悪いことが起きるというわけではないので安心してくださいね。
そもそも前祝いが縁起悪いといわれるのには、昔からの色んな考え方から来ています。
「寿命の前借り」という考え方
誕生日の前祝いを避ける理由として、まず挙げられるのが「寿命の前借り」の発想。
たとえば「本来まだ来ていない年齢を、先に祝うこと=自分の寿命を先に使っている」という考えです。
これには、昔からの言い伝えや迷信の要素も含まれるといわれています。
特に、長寿祝いの場合は特に注意が必要!
長寿のお祝い(還暦、米寿、白寿など)は、いわゆる人生の大きな節目ですよね。
年配の方の中には、これらを前倒しにして祝うことに抵抗感を持つ方が多いんです。
「寿命の前借りなんてしたら、せっかくのおめでたい席に水を差してしまうどころか、水をぶっかけてしまうんじゃ?」なんて不安が重なって、前祝いを控える人も少なくありません。
日本の文化や仏教の影響
日本は古くから、仏教の教えや冠婚葬祭の慣習を通じて、「未来のことを勝手に決めつけるのは控えましょう」という価値観が根づいていますよね?
「先のことはわからない」という慎み
仏教的には、「人の命はいつ終わるかわからない」という無常観が基本。
なので、「本当の誕生日が来るまでは、一つ先の歳を祝うのはちょっと…」と考える方も。
結果的に、「誕生日は当日か、過ぎてからが良いのかも?」という結論に落ち着く方が多いわけですね。
冠婚葬祭の文化との関連
日本の冠婚葬祭では、縁起を大切にする風習が今の時代にもありますよね。
たとえば「仏滅は結婚式に適さない」「大安に式を挙げると良い」といった六曜なんかもその一例。
「誕生日」という人生の通過点についても、同じような価値観で縁起を意識する人がいるのも事実なんですよ。
一般的な習慣との違い
一方で、結婚祝いや新築祝いといったイベントは、事前に「お披露目会」や「入籍報告会」を開くことが一般的。
それなのに、なぜ誕生日だけは「当日以降が良い」といわれやすいのでしょう?
それは、結婚式や新築は「準備段階からの報告・共有」という意味合いがあるのに対し、誕生日は「個人の人生の節目」であることが大きな違い。
とくに長い歴史を見てみると、「結婚式=家同士の結びつき」「新築=家を構える大きな移り変わり」として、周囲への報告を前もってするのが常識化してきました。
一方で、誕生日はあくまで「個人のお祝い」。
しかも、「その日がやって来てこそ一つ年を重ねる」という感覚が強いですよね。
前祝いしてもらっても、心の中では「私まだ39歳だし!」みたいな?
私はそんなこと思いませんけどね!
お祝いしてくれるだけで嬉しいですよ(・∀・)
つまり、結婚式や新築のように「先にお披露目しておいても大丈夫」という考え方が、誕生日にはあまり当てはまらないわけなんです。
近年の考え方の変化
とはいえ、今の時代では考え方も変わってきています。
せっかくなんで、ここからは誕生日の前祝いの縁起に対する考え方の変化について解説していきましょう。
若い世代ではあまり気にしない傾向
ここ数年、20代や30代の方を中心に、「誕生日を前倒しで祝うこと」に対して抵抗が薄れてきているようですね。
なぜって、仕事や学校のスケジュールが合わないことが多くて、
「実際の日付にこだわっていたら、なかなか全員の予定を合わせられない」
というめちゃくちゃ現実的な問題が大きいから!
友人同士では日程優先が当たり前
- 大勢が集まりやすい週末にパーティーをやる
- 誕生日とは離れた日付でも、楽しければ問題なしという考え方
SNSやオンラインが当たり前の世代
- 当日に会えなくても、オンラインでお祝いできる
- リアルなパーティーは前後どちらでもいい、という柔軟な発想
大切なのは「気持ち」の部分
なにより、「前祝いは縁起が悪いかどうか」よりも、「相手を思う気持ち」にこそ意味があるという意見も増えています。
いくら当日に祝っても、形式的だったり義務的だったりすると嬉しさも半減。
けれど、前祝いでも「忙しい中わざわざ集まってくれた」「心温まるメッセージをくれた」という事実があれば、感動は大きいですよね。
- 本人の好みに合ったケーキや料理を選んでくれる
- メッセージカードに、相手の長所や日ごろの感謝がしっかり書かれている
- 無理のない日程調整で、リラックスして過ごせる
みたいに、相手が嬉しいと思ってくれるなら、前祝いでも関係ないと思いませんか?
結局は、「相手にとって心地よい形」こそが大事。
前祝いかどうかということだけでなく、相手への配慮や思いやりが重要で大切です。
どんな場合に気をつけなきゃいけないの?
誕生日の前祝いの縁起は気にしなくても大丈夫って言ってきました。
けれど、もちろん気をつけなきゃいけない場面もあります。
ここからは、誕生日の前祝いを計画する場合に気をつけなきゃいけないケースを紹介。
縁起を気にする人がいる場合
家族や親族の中に、伝統的な考えを強くお持ちの方がいらっしゃる場合には、前祝いは慎重に判断したほうがいいですね。
とくに年配の方は、「自分は気にしないけど、周りの親戚がうるさいから…」といった意見を持ち合わせていることも。
そんな可能性もあるので、事前に確認しておくのが大切!
「もし〇日しか空いていないのだけど、先にお祝いしても大丈夫?」と一言声をかけるだけで、トラブルを防げますよ。
年代が上の方ほど、遠慮して本音を言いづらいケースもあるので、こちらから確認しておくとスムーズです。
冠婚葬祭と重なる場合
「せっかくだから親戚一同が集まったタイミングで、ちょっと早いけど誕生日のお祝いをしよう!」という発想はありがち。
けれど、そこに冠婚葬祭の行事が絡んでいる場合は要注意です。
お盆や法事の時期とのバッティング
お盆の時期に実家へ帰省する人は多いですよね。
法事などがある場合は、「亡くなった方をしのぶ」ときでもありますし…。
このような行事の最中に、誕生日の前祝いを大々的にやると、「ちょっと空気が読めない…」と思われる恐れもあるので気をつけて!!
結婚式の直前直後
結婚式は本来、とてもおめでたいイベント。
ただ、挙式当日や直前に「ついでに誕生日を先に祝っちゃおう」と計画するのは止めておいて!
新郎新婦やご家族は「今は結婚式に集中したい」という気持ちを抱えているはず。
結婚式と誕生日をまるっと一緒にするアイデアは、当事者同士の同意が取れていれば良いですが、周囲の親族やご友人を混乱させるリスクもあるので、ほどほどに配慮すると安心ですね。
まぁ、避けた方がいいでしょう。
個人の価値観による違い
もちろん「まったく気にしない!」というタイプの方も多数いらっしゃいます。
- 昔からお祝いは当日が無理なら前倒し派
- そもそも年齢を重ねることをあまり意識していない
- 海外暮らしが長く、誕生日は好きなタイミングで祝えばOKと考えている
など、現代では価値観がかなり多様化。
大切なのは、「相手がどのように感じるか」を優先して考えることですね。
自分は気にしていなくても、周りに縁起を意識する方がいるかもしれません。
逆に、「相手は気にしない派」なら、あまり深刻にならずに楽しく前祝いしてしまっても大丈夫ですよ。
縁起を気にする場合にはどうする?
では、周りに縁起を気にしている人がいた場合には、どうしたらいいんでしょう?
そんな時の代替案を紹介していきます。
「感謝の食事会」として開催する
「誕生日を前もって祝うのは避けたい」と感じるときには、言い方を変えてみるのも一手。
「感謝の気持ちを伝える食事会」 とか 「お疲れさま会」 といった形にすれば、「誕生日」という直接的なワードを使いづらい方でも、気軽に参加しやすくなります。
メリット
- 誕生日以外の名目なので、縁起を気にせずに済む
- 「最近なかなか会えなかったから」という自然な理由づけができる
注意点
- 当人にとっては誕生日を意識しているイベントでも、あえて表に出さないこと
- 周りの人にも「今日はあくまでも気軽な会」と伝えておくと誤解がなくて◎
プレゼントだけ先に渡す場合の工夫
どうしても都合が合わず「直接渡せるのは前日しかない…!」というシーンもありますよね。
そんなときは、プレゼントと合わせて「誕生日当日に開けてね」と一言添えておくのがおすすめ!
- 「当日までおあずけ」方式にする利点
- 実質的には前祝いにならない
- 一種のサプライズ感があり、ワクワクを高める
- メッセージカードの扱い
- 誕生日おめでとうメッセージは、誕生日当日に読んでもらうよう封筒に入れておく
- カードの封をしっかり閉じておくと、開けるタイミングを制御しやすい
こうしておけば、会うタイミングは前でも、実質的にお祝いは当日やその後に持ち越せますよ。
当日または後日のお祝いに変更する
最も無難なのは、「誕生日当日」か「誕生日を過ぎてから」お祝いをすること。
「前祝いはちょっと…」と思う方にとっては、やはりこれがいちばん気持ちがラクかもしれません。
どうしても日程調整が難しいようなら、オンラインの活用も手です。
その際に「誕生日おめでとう」の飾り付けやケーキを用意するなど、当日の盛り上がりを再現するのもおすすめ!
オンラインメッセージやビデオ通話
- 当日になるべく短時間でもビデオ通話をし、「おめでとう」の気持ちを直接伝える
- SNSを通じてお祝い動画やメッセージを送る
後日に集まれる日に改めてお祝いパーティー
- 「せっかくならみんなと一緒に盛り上がりたい!」という場合は、後日に大勢で集まるのもアリ
こんな感じで、進めてみてはいかがでしょう?
まとめ:誕生日の前祝いは本当に縁起が悪い?
誕生日の前祝いは、昔からの言い伝えや仏教的な考え方もあって、「縁起が悪い」とされる傾向があります。
これは「寿命を前借りする」という独特の発想や、日本文化の根強い縁起観が背景にあるため。
一方で、結婚式や新築祝いは前祝いが一般的なのに、誕生日は例外視されがちというのも、なかなか興味深いところですよね。
ただ今の時代では、「忙しいから当日には集まれない」「海外の文化も取り入れて柔軟にパーティーを楽しみたい」という声も多く、前祝い自体をあまり気にしない風潮が広がっています。
ポイントは、「周りに縁起を重んじる人がいないか」「冠婚葬祭や長寿行事とバッティングしないか」「本人がどのように受け止めるか」という点。
もし相手や家族が気にするなら、
- 感謝の食事会という名目にする
- プレゼントだけ先に渡して当日に開けてもらう
- 当日または後日のお祝いに変更する
などの方法で、うまく調整してみてください。
結局は、「相手を思いやる気持ち」が一番大切。
柔軟に工夫して、相手が素直に喜べるお祝いの形を選んでみてはいかがでしょうか?
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